~前回のあらすじ~

1本目ワイ「アップキープにその起こした2つ寝かせます。エンドに自分の《静態の宝珠/Static Orb》寝かせます。自分のターンで全部起こします(やる夫のキリッみたいなAA略)」

2本目ワイ「1/2で殴ります。1点で。エンドです(白目)」



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前回の大会で知り合いが黒緑のThe Rockを使っていて、また別の参加者の方のデッキでも似たようなタイプのものを見かけた。
個人的にはエクステンデッドで強かったデッキ(The Rock、Trix、青緑マッドネス、サイカトグ等)は全てミドルスクール化の価値があると感じており、The Rockについては様々なタイプがあり(後述)、現状のベストな構築はよくわからない状態だ。もちろん環境に適応しての変遷であるため、これもミドルスクールの現環境に合わせる必要がある。
辿り着けるかどうかは別としてこのデッキの正解(良さそうな構築)についてはかなり気になったので、今回はThe Rockを作ってみようと思う。



まず呼称としてなんとなく「The Rock」と呼んでいるが、僕が目指しているのは要するに「黒緑コントロール」だ。
もしかしたらミッドレンジくらい殴る仕様になるかもしれないが、ともかく想定するゲームのレンジは少し長めに取るつもりだ。

理由としては絶対に取りたいカードが
・《破滅的な行為/Pernicious Deed》
・《強迫/Duress》《陰謀団式療法/Cabal Therapy》の1マナハンデス勢
・《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を除去できるカード
と、後ろ向きな面子ばかりなこと。
また同時に《生ける願い/Living Wish》型にしようとも考えていて、《適者生存/Survival of the Fittest》デッキでよくあるような「1ゲーム目にマッチによっては不必要だとされるカードを多めに引いてしまうリスク」をできるだけ抑えたい。そいつらよりも上記の後ろ向きカード群を確実に引いていることが大事なのだ。

ちなみにデッキの呼称としては、「マルカデス」だったり「サバイバルデス」だったり本当に色々ある。細部の違い(《適者生存/Survival of the Fittest》《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》《生ける屍/Living Death》など)で分別はされているものの、骨子は黒緑ベースの少し遅めのデッキということで共通している。
これらのレシピの詳細はMTGwiki参照(丸投げ)

またこのカラーリング+白という形でPT Junkというデッキも存在した。
こちらは《リバー・ボア/River Boa》《幽体オオヤマネコ/Spectral Lynx》などでより攻撃力にシフトした形。《破滅的な行為/Pernicious Deed》はサイドボードからということも多かったが、上記クリーチャーは再生持ちなためこれらと相性が良い。
ただしミドルスクールでは《税収/Tithe》でデュアルランドを持ってくる動きができなくなっており、作るとしてもダメラン多用のマナベースになる可能性が高い。円滑に動くどうかは不安が残る。

またこれより少し後のエクステンデッドのThe RockはMRD~CHKブロックの参入から《トロールの苦行者/Troll Ascetic》の他に《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》などを得て《極楽鳥/Birds of Paradise》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が殴れる仕様となっており、攻めるThe Rockという印象のデッキだった時代もある。

ちなみにMRD直後の開幕エクステンデッド、《修繕/Tinker》禁止前のThe Rockは環境が早すぎて息をしていなかったが、かなり闇寄りの時代なので今回は言及の必要はなさそうだ。気になる人はPTニューオーリンズ2003でググろう。

ともかくミドルスクールにはそのような装備品がない(《タウノスの武具/Tawnos’s Weaponry》くらいならある)ので、この形にするのは少し難しい。
実際のところ装備品が入るまでのThe Rockはかなりマナフラッドするデッキだった。マナクリーチャーを本当にマナクリーチャーとしてだけ運用するコントロールデッキであるため、後半弱いカードを引いてしまうリスクはかなりある。しかも出したマナクリーチャーは《破滅的な行為/Pernicious Deed》で確実に吹き飛ぶだろう。
《破滅的な行為/Pernicious Deed》のおかげで非常に負けにくい構造かつ《樹上の村/Treetop Village》のような受けができるカードがあるとはいえ、マナソースが潤沢な割にそれを生かした攻め手段に乏しい。メタが後手に回っている時はよく「勝ち切れないデッキ」として揶揄されていたものだ。

それでもマナクリーチャーが入り続けていたのは3マナ5マナに効率よくアクセスするためと、やはり《破滅的な行為/Pernicious Deed》の威力を後押しするため。これさえ貼ってしまえば起動せずとも場はある程度固まってしまうので、一刻も早く設置する・《強迫/Duress》等から設置する・設置した時に起動マナがある等の要員のため、死ぬ運命と分かっていつつもリターンを求めた形だ。

とはいえ、前述の通りマナクリーチャーを後半に引いてなんやかんやあって(もしくは何もなくて)引き分けみたいな展開は非常に多かった。

これらを踏まえ「マナクリーチャーを入れずに作れたら無駄が減って強いんじゃないか?」というところに行き着いた。ただ実際の使用感―――本当に入っていないパターンをこの目で見たことはない。
僕個人はこのデッキが存在した当時は《破滅的な行為/Pernicious Deed》をはじめとしたパーツを持っていなかったのと、実際のエクステンデッドの大会では《魔の魅惑/Aluren》や親和をよく使っていたため、フリープレイでデッキを借りて回したことがある程度だ。

これらをまとめると
・デッキのスピード感は要検討(微遅~最遅)
・勝ち手段多い方がいいんじゃね?(防御手段を兼ねているとGOOD)
・マナクリ抜いた方が強いんじゃね?(ドローの質をよくしたい)

この3点だ。

当時のデッキにはよく
・《極楽鳥/Birds of Paradise》
・《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
・《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》
がセットで採用されていることが多かった。
この中で殴れる要員かつアドバンテージになりえるのは《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》のみなので、とりあえず旧スタメンの中からは《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》のみを採用したい。
そして《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》をキーとして考えるのなら《起源/Genesis》は必要で、この辺りは据え置きでいいだろう。
またマナクリーチャーを全て抜くのであれば最序盤の穴埋めとして《花の壁/Wall of Blossoms》は是非採用したい。カードの面で損をしないためデッキの回転率を上げつつ序盤を耐えてくれることだろう。地味にいる赤系や《樹上の村/Treetop Village》に強いのもポイント。
他の面子だが、《破滅的な行為/Pernicious Deed》と併用する都合上
「重い」
「死ににくい」
「死のうがどうでもいい(死んで欲しい場合もある)」

の3つの条件のうちどれかは必要だ。
ちなみに《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》は申し訳ないが3つ目をクリアしている。



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4《花の壁/Wall of Blossoms》
4《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》
4《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》
2《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
1《魂売り/Spiritmonger》
1《起源/Genesis》
4《生ける願い/Living Wish》
4《悪魔の布告/Diabolic Edict》
4《強迫/Duress》
4《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
4《破滅的な行為/Pernicious Deed》
4《樹上の村/Treetop Village》
4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
7《森/Forest》
9《沼/Swamp》

4《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
3《帰化/Naturalize》
1《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion》
1《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
1《黄塵地帯/Dust Bowl》
1《起源/Genesis》
1《骨砕き/Bone Shredder》
1《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante》
1《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
1《呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur》

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そんなわけで色々やってたら迫真のビーストデッキが完成した。

マナベースの問題・ヒット後すぐに勝つわけではない・他の手段でアドバンテージ格差を広げやすい等の理由で《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》は無し。
《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》の利点は《破滅的な行為/Pernicious Deed》で場を抑えつけた後の出し渋っているリソースを削り取れる点だ。もう少し黒マナ寄りの構築であればそれも可能かもしれないが、最終的に手札破壊が溢れる可能性が高く「ドローが弱くなりそう」というマナクリ型と共通の弱点を抱えそうなので、《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》のようなカードと併用する必要がありそうだ。
今回は代わりに1マナの手札を見るスペルをフル投入することで序盤の即死を防いでいる。また《破滅的な行為/Pernicious Deed》が効かないデッキはまずないのでこれの定着を最低限のゴールと定めており、他の呪文も軽いものを多めにしてある。

ライブラリー圧縮要素の枚数もマナクリーチャー無しの中での安定を目指すため8枚と多め。いずれもクリーチャーなので《起源/Genesis》で最終的に帰ってくる見込みだ。
《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》はスタンダードのサイクリングデッキ等ではマナの安定や気軽なアドバンテージ源としてよく使われてはいたが、さすがにエクステンデッドでその姿を見ることはなかった。
今回の採用の理由として、このデッキでは1ターン目の手札破壊のキャストのために黒マナの比重(黒マナは概ね土地サーチ系スペルを撃つ前に必要)が大きいことが挙げられる。それでいて緑マナもそこそこ求められてしまっている。
ゆえに最序盤の土地バランスが「黒黒緑」のようなベースになることが多く、《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》のキャストに至らないパターンが存在する。
これを解消すべく、シングルシンボルからサーチできる《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》に白羽の矢が立った。
また7マナ6/5というサイズはこのデッキの止まらず押し寄せる土地の前にはそう遠くない到達点だ。
あとは地味にビーストなので緊急時は《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》でライフに変換できる。殴り過ぎて不慮の事故で負けそうになったら使う時が来るかもしれないが、こんな奴で殴ってたらまあ普通は勝つ(と思う)

《生ける願い/Living Wish》については持ってこれるほぼ全ての選択肢を用意した。
2マナで止まった時《黄塵地帯/Dust Bowl》しか持ってこれないのは少し危ないかもしれないが、3マナ揃えば《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》へと辿り着けるのでまず問題ないだろう。
《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》を取るかは好みだと思うが、エンチャントへの備えを《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante》にしているのでケチれるかなと欲が働いた結果。冷静に考えると2ターン目《生ける願い/Living Wish》→3ターン目《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》にしたいケースはいっぱいある。
なのでスペースを割く価値は充分にありそうで、後にしてみればここはミスだったと思う。



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11/23晴れる屋秋葉原勝ち抜きミドルスクールに参加。



1回戦:Bye

戦わずして勝つのも戦略だと言える(なお運ゲー)



2回戦:青緑覚醒

1本目
相手が緑マナ多めのベースで事故ってしまい、《樹上の村/Treetop Village》でポチポチ殴ってたら勝ち。

2本目
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》が当たりつつ焦土作戦で勝ち。

○○
これはさすがに相性。



3回戦:青白緑オース

1本目
2ターン目《生ける願い/Living Wish》→《黄塵地帯/Dust Bowl》でほぼKO。3色デッキにはこれがかなり効く。
その後少し時間はかかったものの無事《樹上の村/Treetop Village》連打まで。

2本目
序盤はリソースの取り合いから進み、最終的に素出し《変異種/Morphling》に15点殴られるが、事前に《魂売り/Spiritmonger》を《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で殺されていたことによりライフが30点くらいあったので耐え。
《変異種/Morphling》には《悪魔の布告/Diabolic Edict》が間に合った上で殴り勝つ。

○○
一貫して《強迫/Duress》《陰謀団式療法/Cabal Therapy》は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を標的にした。《樹上の村/Treetop Village》ミラーに一方的に勝つためにはこれが良い。
またこちら側はほぼウィッシュボードな上にマナクリーチャーも入っていないのでインアウトはかなり簡単だが、オース側は難しそう。
個人的には(こちらの構成がある程度バレていれば)《ドルイドの誓い/Oath of Druids》を減らして直球勝負に強いカードを入れるのが良さそうで、実際に自分は《花の壁/Wall of Blossoms》を減らして《帰化/Naturalize》を入れていたので《獣群の呼び声/Call of the Herd》などを多めにサイドインされていたら厳しかったかもしれない。



3-0!(ただしBye込み)



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相性良さそうなマッチ2連打だったのでなんとも言えず。
もう少し試行が必要そうだが、何回かフリープレイした感覚だと見立通り長いゲームにはめちゃめちゃ強い。リソースで絶対負けない場所に引きずり込めるのが魅力。
総じて防御面ではかなり満足しているが、まだ対戦経験のない赤いデッキとのマッチも少し見てみたいところ。一応かなり立ち回りやすくはしているつもりだが…。

少しアナログな話になってしまうが、このデッキは《吸血の教示者/Vampiric Tutor》時代からシャッフル回数が(他に比べると)少し多く、またお世辞にも勝ち手段が多いとは言えないので引き分け回避のためにある程度早いプレイが必要。ゲーム時間を気にするなら攻守を切り替える瞬間の判断にも精度が必要だ。
自分もプレイスピードに自信があるわけではないが、実際に時計を見ながらプレイしたところ時間的な怪しさはかなり感じた。構築という観点から見れば勝ちきれなさは多少は改善できているとは思ったが、まだまだ完璧ではない。



そんなかんじでーす(^o^)

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